
スパ・ハラスメント(スパハラ)とは
ハラスメント(Harassment)とは、他者に対する発言・行動などが発信する本人の意図とは関係なく、相手(受け手側)を不快にされたり、尊厳を傷つけたり、脅威を与えたり、場合によっては不利益を与えることを指します。
・セクシュアル・ハラスメント(セクハラ):性的嫌がらせ
・パワー・ハラスメント(パワハラ):上下関係(階級)を利用した嫌がらせ
・アルコール・ハラスメント(アルハラ):アルコール飲料を利用した嫌がらせ
他にも、モラル・ハラスメント(モラハラ)、アカデミック・ハラスメント(アカハラ)、終われ・ハラスメント(オワハラ)など、ハラスメントには様々な場面や言葉があります。
その中でも、入浴シーンにおけるハラスメントを『スパ・ハラスメント』(スパハラ)と筆者が勝手に名付けた訳ですが、入浴(銭湯・日帰り入浴施設・旅館・ホテル・公衆浴場など)における迷惑行為、嫌がらせ、場合によっては犯罪行為が残念なことに日常的光景になりつつあるのは看過できない事実であり、施設側も対策にかなりの労力を使っているにもかかわらず、撲滅が出来ていないのも事実です。
スパハラの被害を受けるのは、マナーを守っている利用者や、運営している施設です。一部のマナーを守れないかたがいるおかげで、売り上げが下がり、施設の経営自体に悪影響を受けるまで被害が及んでいる現実もあることから、『スパ・ハラスメント』(スパハラ)という造語を作り、注意喚起などの対策が必要だと考えています。
各シーンにおけるスパハラ(一部)
脱衣所にて
・椅子を占有する行為
⇒空いている椅子が多くあれば問題ありませんが、少ない椅子を独り占めする行為は迷惑行為です。
・荷物を広げる行為
⇒脱衣所が狭い場合や、すぐ隣に他の人が準備しているときは譲り合いの精神が必要です。
・化粧台を占有したり、汚く使用する行為
⇒化粧台はみんなのものです。一人で長時間占有したり、髪の毛や化粧水、使用済みティッシュ
などを片付けずに放置する行為は迷惑行為です。
洗い場にて
・シャワーを飛び散らかす行為
⇒隣の人や、うしろの人にかからないように使用しましょう。
・ゴミを放置する行為
⇒使用済みのカミソリや歯ブラシなどを放置する行為は迷惑行為です。
・椅子や洗面器は元の場所に
⇒椅子や洗面器に髪の毛などを残さず、元々の位置に戻しましょう。
洗面器に水をためたまま放置することは迷惑行為です。
・周囲に泡を残さない
⇒鏡や壁面、床に泡が残っている場合はシャワーなどで流しましょう。
湯船(浴槽)にて
・必ず『かけ湯』をしましょう
⇒マナーの観点と、自身の入浴事故を防止するためにもかけ湯は必ず行いましょう
・タオルは湯船に入れないようにしましょう
⇒新品なタオルでも他の人からはわかりません。頭にのせるか、壁面に置くなどしましょう。
・湯口の近くを占有してはいけません
⇒湯口は新鮮なお湯を堪能できる『一等地』です。譲り合って新鮮なお湯を堪能しましょう。
混浴にて
・脱衣所から湯船、湯船から湯船に移動している人がいる場合は目をそらしましょう
⇒脱衣所から湯船の間、湯船から別の湯船に移動している人に目線を合わせると、場合によっては
痴漢と間違われる場合があります。
・他人の身体をジロジロ見るのはやめましょう
⇒度を超すと痴漢行為とみなされる場合があります。
・湯船の中では一定の距離を保ちましょう
⇒あまりにも不自然に近づく行為は痴漢行為とみなされる場合があります。
・長時間の入浴は避けましょう
⇒異性の入浴を待つために長時間入浴する人の事を通称『ワニ』と呼びます。
本来の入浴という目的から外れていますので、場合によっては退場になる場合もありますし、
入浴事故の原因にもなりますので、危険です。
マナーを守って楽しく入浴
各々がマナーを守って入浴することにより、皆が楽しく入浴できます。
たった一部の人がマナーを守らないために、せっかくの旅行が台無しになってしまう場合や、温泉自体を嫌いになってしまう方がいることは非常に悲しいことです。
近年は混浴に『ワニ』と呼ばれる迷惑行為をする人がいるようです。
『ワニ』はスパハラを通り超えて、迷惑行為または犯罪になる場合もあります。
ひとりひとりが少しの気遣いで、そこにいる人が全員楽しく笑顔で温泉に入浴することが出来ます。
マナーを守って入浴することにより、本来の温泉の効果が、さらに何倍にも何十倍にもなることでしょう。
文責:金井茂幸