全国の温泉ソムリエ認定者を対象に2015年5月~9月に、好きな温泉郷アンケートを実施いたしました(1人5箇所まで回答可)。
このアンケートは温泉郷という言葉の普及と、温泉地と温泉郷の違いをより理解いただくために、温泉ソムリエ協会と温泉百貨店で実施いたしました。
投票対象者:温泉ソムリエ認定者
合計得票数:717票
温泉郷とは...
法令による定義はありませんが、古くから一定の範囲に複数集まっている温泉地の総称として使用されていました。このあと紹介する国民保養温泉地として1957年に熊野本宮温泉郷(湯の峰温泉、川湯温泉、渡瀬温泉)が指定されてから、一定の範囲に温泉地が複数集まったエリアを温泉郷とする表現が定着いたしました。
温泉地と温泉郷の違いについての解説はこちら
では、ランキングの発表です!
第1位 別府温泉郷 ~大分県~
獲得票数:77票
大分県別府市
鶴見岳や伽藍岳の火山があり、源泉数、湧出量ともに日本一!
さまざまな自然湧出の景観をめぐる「別府地獄めぐり」が人気。
別府を温泉の聖地と崇める者も少なくない。
写真:鉄輪温泉の湯けむり
別府は温泉ファンなら誰もが知っている温泉郷で、別府、浜脇、観海寺、堀田、明礬、鉄輪、柴石、亀川の8箇所とその周辺の温泉地を総称として別府温泉郷が成立している。
昔は隣接する塚原と由布院を入れて別府十湯と言われた事もあり、街の名士である油屋熊八氏が尽力し別府の知名度は全国区となる。その功績を讃えJR別府駅前には油屋熊八像が今でも観光客を笑顔で迎えている。
温泉の取り組みも多種多様で、別府エリアの温泉を巡る元祖湯めぐりスタンプラリーの「別府八湯温泉道」や、別府の理解度を試す「別府八湯検定試験」も毎年全国で開催され、別府ファンを楽しませている。
第2位 乳頭温泉郷 ~秋田県~
獲得票数:70票
秋田県仙北市
十和田八幡平国立公園内にある、秘湯ファンに人気の高いエリア。
1967年に、国民保養温泉地に指定されている。
写真:孫六温泉
温泉ファン、秘湯ファンから人気が高く、各所で主催されている温泉ランキングでも常に上位。その中でも「鶴の湯」の人気が高く、予約の取りにくい宿としても人気である。
乳頭温泉郷に宿泊すると、「湯めぐり帖」を購入できる。乳頭温泉郷の加盟施設で入浴が可能なので、宿泊者のみの特権であることから、宿泊の際はこの湯めぐり帖で乳頭温泉郷を満喫したい。
第3位 箱根温泉郷 ~神奈川県~
獲得票数:58票
神奈川県箱根町
東京から近く、公共交通機関も充実していることから、常に観光客で賑わっている。
温泉以外にも芦ノ湖や様々な美術館もあり観光客を飽きさせない。
写真:大涌谷の湯けむり
箱根湯本、塔ノ沢、宮ノ下、堂ヶ島、底倉、木賀、芦之湯、姥子、小涌谷、強羅、大平台、宮城野、二ノ平、仙石原、湯ノ花沢、芦ノ湖、蛸川、大涌谷、湖尻、早雲山の計20か所を箱根二十湯と称する。
東京・横浜から近く、宿泊施設をはじめ、様々な観光施設が充実し、登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、バス、観光船など、様々な交通機関が充実しているので、移動で困ることは無い。
最寄駅からの往復と箱根エリアの様々な交通機関がカバーできる「箱根フリーパス」が人気。
第4位 鳴子温泉郷 ~宮城県~
獲得票数:41票
宮城県大崎市
様々な泉質が存在し、湯めぐりには最適な温泉郷である。
お得な湯めぐりチケットでの湯めぐりが人気の温泉地。
写真:東鳴子温泉 高友旅館の黒湯
鳴子温泉郷は鳴子、東鳴子、川渡、中山平、鬼首の五箇所から形成され、沿線には国道47号線と陸羽東線(通称奥の細道湯けむりライン)があるので、比較的湯めぐりのしやすい位置関係である。
湯めぐりには「湯めぐりチケット」が便利で、鳴子温泉郷の他にも最上温泉郷(瀬見温泉と山形県赤倉温泉)もカバーされているので、県を超えての湯めぐりもお得に廻ることが出来る。
第5位 塩原温泉郷 ~栃木県~
獲得票数:26票
栃木県那須塩原市
温泉宿の他にも共同湯が多く、管理され安心に入浴できる野湯もある。
泉質も色も種類が豊富で選ぶ楽しみのある温泉郷である。
写真:塩原温泉 明賀屋本館
塩原温泉郷は、大網、福渡、塩釜、塩の湯、畑下、門前、古町、中塩原、上塩原、新湯、元湯の計11箇所から形成され、それぞれに泉質や色が異なる温泉郷である。
東京から比較的近く、那須温泉郷とも隣接しており、避暑地としても有名なことから、温泉はもちろんのこと、様々な観光施設があるので、時間を余すことは無い温泉郷である。